トークショー 02
山本直樹さん(原作者、漫画家) ×七里圭監督
2007.11/23(金・祝)@渋谷ユーロスペース
映画『眠り姫』の原作者・山本直樹先生(漫画家)をお迎えしてトークショーが行われました。
七里監督は、映画(『眠り姫』)のことはそっちのけ? で、山本先生の話題の新作「レッド」のことを聞きまくっていました(笑)。
以下ほんの一部のみ抜粋 (*敬称略) ──
七里 「えーと、今日は、僕はこの映画の監督というよりは、山本直樹ファンの代表として、先生にいろいろ質問しようと思っております(笑)。ということになると、やっぱり今日は… まあ『眠り姫』なんですけども… でも、まず!「レッド」のことを聞かないと何も始まらないな、と(笑)」
山本 「売れないと困るんです…(笑)」
七里 「でもけっこういろんな本屋さんで売れ切れ、増刷待ち、という話を聞いてますが…」
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七里 「まず、ちょっとお聞きしたかったのがですね… なぜ山本先生が ── “山本直樹”が、いま連合●軍なのかと… レッドなのかと」
山本 「あ、言っちゃいましたね。フィクションなんですけど(笑)」
七里 「あああ、いちおうフィクションでしたね…(汗) しかもエロなし…」
山本 「前から興味があって、いろんな人たちの本読むのが好きだったのですが、やっぱり面白いんですよね、怒濤の青春もの? 前半─青春山岳小説、後半─青春虐殺小説…で。画的にも画が浮かぶんですよね。これは漫画にしたら絶対面白いだろうなあ…って、誰かやんないかなあ、俺はやんないけどねえ って思ってたんですけど(笑)。 だってこれ漫画にするとしたらすごく面倒くさいんですよ。当時の背景、当時の服、当時の車、街並も… これ書くのはすごい面倒くさいよなあ、でも誰かやんないかなあ、俺はやんないけどねえ… ってずっと言ってきたんです。で、ある晩ちょっと編集さんと飲んでる時に、「やっちゃいましょうよ」って言われて… 僕も酔っぱらってて「じゃあやっちゃいましょうか」って…」
七里 「つい言っちゃって…?(笑)」
山本 「ええ… お酒ってこわいですね…(笑)」
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七里 「でもなんか“山本直樹”というとですね、その… 「ありがとう」とオウム事件と言い、題材が… 時代を先取りしたり、時代とリンクしたりしてきたと思うので…」
山本 「これ(「レッド」)は時代とリンクしてないじゃないですか(笑)」
七里 「そうなんですよ。だからなぜいま「レッド」なのか、っていうのが僕はすごく興味があって… まあ、なんかその… 「HOTTA 堀田」があって、その後に「レッド」っていうのは、なぜ、っていうのと同時に、やはりきたか! みたいな感じも実はあってですね… 普通の人が変わっていくっていうところがどこか共通するような…」
山本 「そうですね、普通の真面目な人がおかしくなる… 真面目なことを、いいことをしようとしてたら、結局とんでもないことになってた… みたいな、そういう話が好きなんですね。そういうことって繰り返し起きてるし… オウムもそうだし、終戦末期の日本軍だってそうだったろうし…なんか閉じたとこに行った結果、人がとんでもないことになる… みたいな。それをやっぱり書きたいなあ、と」
七里 「やっぱり「HOTTA 堀田」とか、すごくこう外連味あふれる妄想とか幻想が入ってくるじゃないですか。「レッド」なんかも、そういう意味での妄想や幻想のシーンは出てこないけども、やっぱりこの登場人物たちの頭の中に、何か共同幻想のようなものが浮かんできているのではないか、と…」
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「レッド」に関する七里監督の感想、質問が延々と続き、やがて…
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山本 「… 『眠り姫』の話、しなくていいんですか?(笑)」
七里 「あ、いや、そうですね。もっと「レッド」のお話を聞きたいところなんですけど、そろそろ…(笑)」
司会 「そろそろ 『眠り姫』の話、お願いします」
七里 「いやあ、そうですね、えっと… 『眠り姫』… 」
司会 「山本先生、あの、まず映画 『眠り姫』の感想を…」
山本 「僕がずっと前に観たのは、北沢タウンホール(東京/下北沢)でやった生演奏の時のものですけど、すごい不思議な空間がずっと流れていて、僕はすごく好きでしたけどね…」
七里 「あの時、先生が受付までいらして、僕いまでも憶えてますけど、先生「マジ、良かったです」 って言ってくれたんですよ。それでもうなんか、いままでの苦労がいっぺんに吹っ飛んだっていうか… あれは感激して日記にも書いたんですけど…(笑)」
DIARYページ ─ 2005年05月13日の日記のこと
山本 「映画 『眠り姫』… 大胆ですよね。俳優さんに、声だけ… みたいな(笑)」
七里 「もともとこの『眠り姫』の企画の最初は、『のんきな姉さん』公開の時の“山本直樹の小部屋展”が目的で、その時は、「テレビを消しなさい」という山本先生の…」
山本 「まあ、雑文集ですね」
七里 「はい、で、その中の“武蔵野緑地帯潜入記”っていうのがすごく良くて、それをイメージして武蔵野の風景をいかに詩的に捉えていくかっていうのがもともとで、それで、「それをやらせてください」っていうふうにたぶんお願いしに行って、それがなぜだか 「すみません『眠り姫』の原作をください」っていうことになったんだと…(笑)」
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七里 「あの… この中(「テレビを消しなさい」)にも書いてますけど、昔から先生は内田百けんの「冥土」が面白い、と」
山本 「はい、「冥土・旅順入場式」。文庫本だとふたつ一緒になってますけど、大好きで… 内田百けんは、のんきな鉄道エッセイも好きなんですけど、やっぱり「冥土」の、あの気の狂った感じが… 漱石の「夢十夜」をさらに頭オカシクした感じが大好きで… 「山高帽子」は、だからその中でもなんか好きで… あまり夢っぽくないちゃんとした普通の小説なんだけど、でもやっぱり友達が気が狂って死んじゃう… まあ芥川龍之介が死ぬ話なんですけど…」
七里 「先生は漫画にする際に、まあ芥川役の野口は男性だとしても、内田百けんであろう青地を女教師にしたわけじゃないですか」
山本 「だって男男の話は書きたくない、じゃないですか…(笑) だからいま逆にBL系の漫画家さんがあれを漫画にしたらまた面白いんじゃないですかね」
七里 「ああ、なるほど… でも、あの女教師にしたっていうのが、ものすごいスーパーアイデアだと僕は思ってまして…」
山本 「お話が色っぽくないと自分で書いてて楽しくないんで… だからいま「レッド」はたいへんで…(笑)」
七里 「エロなしですしね…(笑) そういう話になると、やっぱりちょっと「レッド」の話に戻っていくとですね… えーと、すみませんね、なんだかファン丸出しで(笑)。えーと… さっき、もしかしてこの表紙はYMOの「増殖」なんですか?って聞いたのですが ──」
と、話はまた「レッド」へと戻っていくのでした …
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